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2010/09/01

不動産投資、魅力とリスク

カテゴリー: お勉強など!, 建設 ・不動産 — admin @ 10:27 AM

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いよいよ中国のGDPが日本を上回ったようです。強い経済発展を続ける中国、景気低迷から抜け出せない日本、世界経済の地図は塗り替えられてゆきます。日本の個人消費・住宅は不振が続き、デフレから抜け出せない状態が続いています。また、このような状況の中、円は強くなり日本の輸出産業を苦しめます。最近では、中国がその強い通貨「元」で割安となった日本の不動産に投資をする姿も見られるようになりました。

昨今、我が国の不動産の価格は下落しています。リーマンショック以降の不況により、企業や個人が不動産を手放すケースが多くなりました。さて、今回はこのような経済状況の中での不動産投資の魅力とリスクを考えたいと思います。経済が不安定な時期だからこそ、不動産と真剣に向き合い考える必要があるのです。最近は、不動産の価格が下がっているのだから投資はまだ不安であると考える方もみえれば、下がっている今だからこそ割安な不動産に投資しようと考える方も見えると思います。また、老後の不動産収入を年金にプラスして得られるとか、サラリーマン大家さんとして副収入を得るなどの話しもよく聞かれます。では、不動産に投資することの魅力とはどんなことなんしょう。不動産を土地の活用を中心に考えればインフレ時にはたいへん心強い資産と言えます。高度成長期はこれで蓄財をした人や企業も多いのです。現金を持っているより、土地に変えておいた方が有利だった時代です。そのような時代では建物は減価してしまうのであまり価値が認められませんでした。不動産、特に土地が値上がりするので建物の潜在的価値である利回りはあまり注目されませんでした。土地の値上がり率よりも不動産そのものが持つ建物等の投資利回りが注目されるようになったのは最近のことなのです。投資と言う観点から見てみますと、昨年の日経平均は1年間で40%以上下がりました。しかし、乱高下の大きい中古マンション等は東京都エリアでも7%の下落で止まっています。土地も下落を続けていますが一年で40%以上下げる事はありません。株式と不動産を同じに語ることはできませんが、居住用の賃貸マンションの賃料等はあまり景気に左右されず、入居者がいることを前提とすれば安定した収入が得られる投資と考えられます。また、銀行預金に比べると高い利回りが期待できるのも事実でしょう。もちろん、一戸の部屋だけに投資をすれば入居者がいないと収入はゼロになってしまい、利回りは0%となってしまいます。多数の部屋や一棟複数戸を所有していれば、そのようなリスクは低くなります。また、不動産は売りたくてもマーケットが冷え込んで買い手が付かない、購入した時よりも価格が下がってしまう等の換金性に対する即効性や値下がりも大きなリスクとして考えられます。売却経費がかさんだり年間の固定資産税が思わぬ負担となったりすることもリスクとなります。投資不動産の購入時の注意点は、利回りの標記にあります。利回りはすべての経費を差し引いて表すべきですが、必要な経費が記されていないものもあるので注意したところです。所有期間中の経費としては、固定資産税はもちろんのこと、管理費、修繕費、火災保険などがあります。また、金融機関から長期に借り入れをして事業を行う場合が多いと思いますが、その金利の上昇もリスク、少子高齢化、人口減少、一人世帯の増加、そして地震などの天災も日本や社会構造が抱える問題であり、今後の不動産経営にも大きく影響してきます。これらの要因を踏まえ、経費を抑えながらも質を落とさないようにするのがオーナーとしての能力となる訳です。

収益を得られる不動産は、居住用、店舗・事務所用、駐車場等がありますが、どれも投資金額、入居率、所有のための経費、所有期間中の経費、金利や天災、社会構造を考えることは重要な要素となります。

不動産投資には魅力もリスクもありますが、これからの時代、不動産投資はその質を落とさないようにし、戦略的に行うことが必須となってきました。

前田由紀夫

2010/08/01

指標から見る不動産

カテゴリー: お勉強など!, 建設 ・不動産 — admin @ 7:03 AM

ここのところ政治や経済が不安定であり、しばらく先の見えない状況が続いています。そのせいか、不動産についてもあまり良い話は聞きません。公示価格や相続税路線価も軒並み下落しています。されとて、すべてが悪い訳ではなく、高収益を上げている不動産もあり、市場は二極化しています。「不動産は所有の時代から使用の時代に変わった」と言われるようになったのは数年前の事ですが、最近その言葉が身にしみて感じるようになりました。

その国の経済の状態を知る指標はGDPです。そのGDPの中に分けられている、不動産関連の項目は、「民間企業設備投資」と「民間住宅投資」となり、大きく影響してきます。再開発事業やオフィス・商業ビルの建設や増改築などは「民間企業設備投資」の額に大きく左右します。また、「民間住宅投資」は、住宅の設備修繕、インテリア、水道光熱費など、居住関連支出となり住宅に対する直接投資以上の金額が波及効果として現れます。民間企業設備投資は08年実績で約82兆円、民間住宅投資は約15兆円で実質GDPの約541兆円に対して18%を占める事になります。昨今の「民間住宅投資」の落ち込みは、新設住宅着工戸数の減少にあらわれており、昨年の落ち込みは危機的なものとなりました。これは、不動産市場における、需要が原因と言うだけではなく、供給側の問題があると考えられます。マンション等の需要はそれほど減っていないものの、金融機関が開発をするデベロッパーにお金を貸さない等の要因も大幅に新設着工戸数を減らした原因と考えられます。金融システムがスムーズに機能し、不動産にお金が流れれば、この業界が苦境を脱出できる可能性は出てくると考えられます。

最近の住宅市場は、東京圏で昨年5月以降、分譲マンションの売行きを示す初月契約率が好調とされる70%前後まで回復しています。これらは、昨年のマンションの供給戸数が3万6千戸と、2000年の9万5千戸の三分の一に落ち込み、実に17年振りに4万戸を割った事が影響していると考えられます。また、オフィスビル市場は東京都心部で賃料が大幅に低下し、稼働率は回復傾向にあります。丸ノ内・大手町では、リーマンショック以前までは一坪あたり6万~7万円だったところが、最近では4万円以下でテナントを募集した例も見られます。賃料の下落はオフィスビル事業にダメージを与えます。企画段階での都心の新築ビルは、坪あたり3万円前後が限界の賃料相場だと言われています。分譲マンションやオフィスビルのいずれも、価格の低下によって物理的な需要、指数等が回復してきています。不動産の景況感を実感するにはマンションの契約率や、稼働率だけで判断するのは難しい時代となってきました。また、不動産事業者の業況ですが、財)土地総合研究所の不動産業調査によれば、不動産流通業(住宅地)の「経営の現況」指数は077月時調査で2年振りにマイナスとなって以降、落ち込みが続いていましたが、091月時調査の69.4ポイントを底に上昇に転じています。また、同時期、住宅・宅地分譲業の「経営の現況」指数も、61.9ポイントを底に4月、7月、10月と回復傾向にあります。しかし、以前マイナス圏内であり、上昇テンポも鈍化しているものの改善の兆しはみられます。しかし、ビル賃貸業の「経営の現況」指数は0810月時調査で3年振りにマイナスに転じてから、時間がたつに従ってそのマイナス幅が拡大しています。昨年10月時点で33.3ポイントと7月の調査から6ポイント改善したものの、まだまだ悪化傾向が続いています。

不動産分野のデータのうち、住宅関連は景気の「先行指標」とされていますが、オフィスビル関連は「遅行指標」となるものが多いようです。企業にとっては、オフィス関連投資は金額が大きい割に業務への反映が送れる場合が多く、株主や従業員への説明責任を考えると、景気や業況に関するデータが上昇してこないと投資に踏み切ることは難しいと考えられます。

政府は「新成長戦略」なるものを発表しました。名目3%、実質2%を上回り、09473兆円を20年には650兆円にまで拡大する目標です。これまでは、実質成長率を重視していましたが、今回の新成長戦略では名目成長率を重視しています。何れにしましても、不動産を取り巻く環境変化も大きく変わる事が予想されます。

前田由紀夫

インスブルックの街角

インスブルックの街角

2010/06/26

人口減少時代の不動産

カテゴリー: お勉強など!, 建設 ・不動産 — admin @ 3:32 PM

先月、政権交代をはたした連立民主党の鳩山内閣が解散をし、新たに菅内閣が発足しました。強い経済、強い財政、強い社会保障の実現のための新成長戦略が策定されました。建築、不動産業の戦略として、中古住宅・リフォーム市場の倍増計画が盛り込まれました。これまでの、新築重視の住宅政策からストック重視の住宅政策への転換を促進するため、建物検査・保証、住宅履歴情報の普及促進等の市場環境整備・規制改革、マンションの再生を盛り込んだ中古・リフォーム市場整備のためのトータルプランの策定をしました。また、中古住宅流通市場・リフォーム市場を20兆円まで倍増を図るとともに、ネット・ゼロ・エネルギー住宅を標準的な新築住宅とすることを目指します。これを受けて、国土交通省では中古住宅に評価指標を決め、売買を即すため、来年4月から物件評価の目安となる指標を公表すると発表しました。建築・不動産マーケットは急激に変化するように見えますが、人口の減少や世帯の変化を見るとその将来がみえてきます。大きく分けてこれからの建築、特に居住用の不動産については、わが国の抱える人口・世帯等の社会構造的な問題と、建物における環境、耐震等の問題がかかわってきます。
日本の人口が減少傾向にあるのは誰もが知る事実です。経済の成長を考えるのに、人口増加を考える事が当たり前だった時代の理論はもはや通用しません。急激な少子高齢化は社会的大問題であり、これからの政治や経済のあり方にも大きく影響します。今までに経験したことのない事態にどのように対処するかは全く未知の世界となります。ここで、少し慎重に数字を考えてゆきますが、2010年の人口ピラミッド(国立社会保障・人口問題研究所)は図1のとおりとなります。45年先の2055年の予想の図2と見比べて頂ければ解りますが、全体の面積(=総人口)は減り、頭でっかちな高齢社会になる事が伺えます。人口の総数で言えば2008年が、1億2千7百万人だったのが、たった45年で8千9百万人になってしまうのです。これは今から55年前の1955年と同じレベルであり、僅か100年の間で日本の人口には大きな変動がおこります。現在の65歳以上の老年人口は21%、つまり100人に対し21人ですが、2055年には41%、100人に対し41人となります。また、0歳~14歳までの年少人口は8%、15歳~64歳の勤労人口は51%となり、働く人は実に2人に1人となります。このような時代が来る事を考えれば、今までの建築・不動産のあり方が大きく変わることは予想できると思います。また、忘れてならないのは世帯数です。日本の世帯数はまだ増加しています。人口減少が起こったにも関わらずしばらく世帯数は増加するのです。2010年の総世帯数は5千20万世帯、平均世帯人員は2.47人です。2015年では、5千60万世帯、平均人員は2.42人に減少します。推計ではここで世帯数は頭打ちになります。平均人員は減少し、さらに単身世帯は増加が加速します。つまり、不動産投資を考えるには、直近での世帯数増加、将来の人口減少、世帯数減少及び単身世帯の増加を考える必要があります。
これらの人口問題を切り口に考えても、直近のデータは別にして近い将来ストックマーケットである中古の建物流通が中心となり、それを修理して使うリフォームマーケットが充実してくることが読み解けます。さらに、拍車をかけるのが環境の問題です。日本の住宅の耐用年数は30年であり、米国55年、英国77年に比べかなり短いものとなっています。これでは財産である不動産と言っても社会的価値は維持できません。今後は新築住宅に性能の高い省エネ基準や耐震基準が求められ、長期に居住でき、環境に優しいエコ住宅である事が必須となります。長期に住宅が使用するわけですから、この切り口でも中古マーケット、リフォームマーケットは活性化すると予想されます。新政権による成長戦略に挙げられている、建物検査・保証、住宅履歴情報の普及促進等の市場環境整備・規制改革は、今までの建築・不動産マーケットのありかたを大きく変えることになると思われます。

前田由紀夫

図.1 2010年 人口ピラミッド

図.1 2010年 人口ピラミッド

図.1 2055年 人口ピラミッド

図.1 2055年 人口ピラミッド

2009/12/29

中古住宅の時代がやってくる

カテゴリー: お勉強など!, 建設 ・不動産 — admin @ 6:40 PM

ここ数年間、金融不安、経済危機、政権交代と我々を取り巻く環境はめまぐるしく変化していますが、それに伴い不動産は将来どのような動きをするのでしょう。

昨今不動産も、他の商品と同じように再利用するマーケット、すなわち中古利用に移ってきています。通常、新築住宅着工件数は年間100万戸を基準にそれ以上が見込まれました。しかし、07年度は103万戸とかなり落ち込み、昨年を見ても1月~10月までの着工件数は65万戸しかありません。これは1960年代後半の水準となり、経済は高度成熟しているものの、マイホームを持つことが人生最大の夢だった時代と同じレベルになってしまいました。

このような時代の流れを読むと、不動産も再利用の時代に突入していると考えられます。これは、いままでの消費型社会から循環型社会への転換が不動産のマーケットにも顕在化してきていることだと考えられます。環境問題の視点で見れば、資源を有効に使ってCO2の削減をし、いまある資源を再利用する考え方です。住宅から排出されるCO2の量は住宅建設時に20・6%、修繕・解体時に7%、そして使用しているときに72・5%を排出します(CASBEEすまい評価マニュアルより)。つまり、居住している時こそ多くのCO2を排出するわけですから、再利用の際には改修時の断熱等の対策が重要となってきます。

この再利用、つまり中古を直して使うことに対して消費者の抵抗感がなくなってきている事も、昨今の中古マーケットの伸びをみるとよくわかります。たとえば、中古のゲームやCD、DVD、本等はかなり多く流通しています。ブランド商品を扱う質店、車、家電、携帯電話までもが中古品の市場を拡大しており、消費者も満足している構図が出来上がっています。 中古品の問題点はその品質の証明にあります。安価な商品であれば、多少の瑕疵は見逃せますが、住宅のように高額なものはしっかりとその建物の質を検証する必要があります。ここが、他の商品と違い、安心できるマーケットが育成されるように行政がしっかりとした基準を設けなければならない理由だと思われます。完成した後の住宅の履歴や設備の性能等を記録する作業も推進されていますが、まだまだ安心・安定した売買のできるマーケットになるには時間がかかりそうです。

しかし、我々先進国においては、温室効果ガスを低減させるため、CO2削減に大きく貢献する余地のある不動産には期待がかかっており、時間をかける余裕はないのです。たとえば、断熱改修工事は今後の不動産(建物)に積極的に引き当てる必要があります。家電製品はトップランナー方式で省エネ基準をクリアし、高性能になってきました。しかし、それを使用する住宅の断熱が効果的に出来ていなければせっかく設備を更新しても省エネが十分に生かされません。今後、不動産の良し悪しを判断するには、外観や設備の良し悪しだけではなく、建物が設計図通りに安全、正確に施工されているか、また、省エネ性能や劣化具合はどのような状態か、住宅を修理した履歴がしっかり管理されているか等が重要となってきます。現在、年間の住宅販売戸数における中古住宅の割合は約13%です。これは、欧米に比べて極めて低い数字です。また、現在の日本の住宅の耐用年数も極端に短く住宅ローンが終わるとその価値はほとんどゼロになってしまいます。しかし、これからは、不動産も使い捨ての消費の時代から、長期にその価値を維持する時代となります。将来、自分の住宅の価値が下落しないのであれば、日ごろの点検や修理、またそれらの履歴を残す事も苦になりません。これからは、日本人の「もったいない」精神を生かした中古住宅の市場が活性化する時代がやってくるでしょう。

Old Faithful Inn

Old Faithful Inn

2009/11/04

コラム 遺産分割

カテゴリー: お勉強など!, コラム, 建設 ・不動産 — admin @ 4:23 PM

相続財産を相続人が分けることをいいます。遺言により各相続人の取得する財産が具体的に記されている場合を除いて、相続人全員で協議して、誰が、どの財産を、どの方法で、どれだけ取得するかを決めなければなりません。遺産分割の協議は、民法で「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」とされています。遺産分割協議に相続人全員が参加していなかった場合は、その遺産分割協議は無効となります。また、協議は相続人間での任意の話合いであり、相続人全員で協議し、全員が賛成すれば、遺言や法定相続分に関係なく財産をどのように分けることも自由となります。なお、協議ができないときや不調のときには、家庭裁判所で決めてもらうこととなります。

2009/11/03

不動産のゆくえ 住生活基本計画の推進

カテゴリー: お勉強など!, コラム, 建設 ・不動産 — admin @ 4:08 PM

衆議院選挙で民主等が圧勝し、鳩山由紀夫氏が第93代首相となった。先月26日に臨時国会が召集され、いよいよ民主党の手腕が試される。所信表明演説では、政権交代を「国民の選択」とし、無血の平成維新と銘打って国政の変革に取り組みと宣言した。

さて、不動産における政策はどのように変わるのだろうか。今回は住生活基本計画(生成18年9月閣議決定)に基づき、その内容を確認したい。

20年度においては、少子高齢社会の到来、社会情勢の急激な変化に対応し、住宅投資の活性化による内需主導の持続的成長が求められ、住宅ストックの質の確保をする観点から、長期優良住宅の普及および省エネ改修等のリフォームを緊急的かつ重点的に促進するため、住生活基本計画の変更を行っている。

*住宅の長寿命化の取組み

平成2011月に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が成立した。これは、住宅が長期にわたり良好な状態で使用し続けることができるように、構造や設備について。一定以上の耐久性、維持管理の容易性等の性能を備えた住宅、いわゆる長期優良住宅の普及を図るものであり、ストック型社会への転換に向けた取り組みである。20年度は、ストック型社会における住宅のあり方について、民間等の優れた提案を公募・採択し、長期優良住宅等の普及啓発に寄与するモデル事業に対して支援を行う「超長期住宅先導的モデル事業」等を実施している。(20年度採択件数:88件)

リフォーム規模の推移

リフォーム規模の推移

*良質な住宅ストックの形成と将来世代への継承

リフォームを促進するため、リフォームに係る様々な情報の提供等を行うリフォネットhttp://www.refonet.jp/ の普及や、住宅履歴情報の整備・普及を推進している。また、住宅金融支援機構の証券化支援業務では、既存住宅の取得に対する融資限度の見直し(改修費用の上乗せ)、リフォーム費用に対する死亡時一括償還型融資では、融資対象の追加や融資限度額の引上げ等をおこなっている。

*多様な住居ニーズが実現される住宅市場の環境整備

住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)に基づき、新築住宅の基礎部分に係る10年間の瑕疵担保責任を義務付けるとともに、新築住宅及び既存住宅に対し、耐震性、省エネ対策、シックハウス対策等、住宅な基本的な性能を客観的に評価し、表示する住宅性能精度を実施している。平成19年度の実績は、設計図書の段階で評価した設計住宅性能評価書の交付が217千戸、現場検査を経て評価した建設住宅評価書・新築住宅の交付が20万4千戸、既存住宅の交付が1500戸となっている。

建設住宅性能評価を受けた住宅に係る紛争については、指定住宅紛争処理機関が裁判によらず迅速かつ訂正な処理を図ることとしており、住宅紛争処理センターがその支援を行っている。このセンターは、住宅全般に関する様々な相談も受け付けている。19年度の実績は、指定住宅紛争処理機関における紛争処理の申請受付件数は28件、住宅紛争処理支援センターの相談件数は2,800件となっている。

*賃貸住宅市場の整備

賃貸住宅市場においては、戸建て住宅、マンション等の持家ストックの賃貸化等を通じたストックの質の向上を図るため、定期借家制度の普及、サブリース事業の適正化等の環境整備に取り組んでいる。

*街なか住居の推進

少子高齢化の進展に伴って、高齢者や子育て世帯を中心に歩いて暮らせるまちづくりが求められているとともに、中心市街地の空洞化が進む中、街なか住居の推進によるにぎわいの再生が必要となっている。このため、ゆとりある生活を実現し、職と住が接近した近接した都市構造の形成、居住機能を含む多様な都市機能が複合した魅力的ある市街地への更新を図る必要があることから、総合設計制度、高層住居誘導地区、用途別容積型地区計画、中心市街地の活性化に関する法律も基づく中心市街地共同住宅供給事業等により、都心部や中心市街地における住宅供給を誘導・促進し、街なか居住を推進している。

主だった住生活基本計画の推進する事業を見てきた。他にも、住宅金融、税制、マンション管理の適正化と、改修・建替えの円滑化、木造住宅の新興、住宅確保に特に配慮を要する居住の安定確保などが示されている。

「衣・食・住」は生活してゆく上で極めて重要な要素である。特に「住」の部分が人間関係を構成し、社会を構成してゆく。これからの住生活における政策は、激変する社会情勢を鑑み、将来に向けてより国民が豊か生きられるようなもになることを願う。

参考:国土交通白平成20

前田由紀夫

2009/09/30

コラム 期限の利益

カテゴリー: お勉強など!, コラム — admin @ 10:29 AM

期限の利益とは、法律行為に付された始期または終期のことを指す。例えば債務を負う契約を締結したとき、その履行の期限を定めれば、その時点までは債務を履行する義務はない。このような期限を定めたことによる権利義務に関する効果を、「期限の利益」という。一方、債務の担保を損傷したりすれば、期限の利益は喪失する。また、ほとんどの金銭消費貸借契約には「期限の利益の喪失」を定める条項があり、例えば、決められた期限までに返済が間に合わない場合には、期限の利益がなくなったものとして借金の残額を一括で支払うことというような特約が付されている。

2009/09/29

不動産のゆくえ 住宅・土地統計調査

カテゴリー: お勉強など!, 建設 ・不動産 — admin @ 10:17 AM

総務省は、住宅、土地の保有状況及び世帯の居住状況等の実態を5年ごとに調査し、その現状と推移を明らかにしている。今回は、この調査をもとに不動産のゆくえを考えてみたい。

住宅総数及び空家

住宅総数及び空家

*住宅総戸数

平成20101日現在における全国の総住宅数は5759万戸となっており、平成15年の以前の調査時から、5年間で370万戸、6.9%が増加している。総戸数のうちの空き家は756万戸あり97万戸、14.6%増加している。総住宅数に占める空き家の割合は13.1%と過去最高となっている。三大都市圏の空き家は12.1%、それ以外の地域では14.3%と、人口の少ない地方圏の方が空き家の多いことがうかがえる。また、総世帯数は4999万世帯となっており、人口が減少しているにも拘らず前回の調査時よりも273万世帯、5.8%の増加となっている。

*共同住宅

住居世帯のある住宅4961万戸を建て方別にみると、一戸建ては2746万戸で全体の55.4%、共同住宅は2069万戸となる。前回の調査と比較すると、一戸建て3.7%増に対し、共同住宅は10.5%増と、住宅数及び割合も過去最高になっている。この共同住宅を階数別にみると、6階建以上が共同住宅全体の32.6%、11階建以上は12.7%、15階建以上は2.8%となっている。前回との比較によれば、6階建以上は23.7%増、11階建以上は34.1%増、15階建以上は52.1%増と大幅に増加し、高層化進行している。

*持ち家住宅率

住宅所有の関係別にみると、持ち家が3037万戸で、住宅全体に占める割合=持ち家住宅率

は、61.2%、借家が1774万戸で35.8%であり、前回調査とほぼ同率となった。

*専用住宅の借家の規模

住宅専用に建築された専用住宅について、一住宅当たりの住居の床面積をみると、持ち家は120.89㎡となっているのに対し、借家では45.93㎡と調査開始時から戸当たりの面積は増えているが、借家は持ち家の半分以下となっている。

*高齢者等のための設備

高齢者などに配慮した住宅設備についてみると、高齢者等のための設備がある住宅は2415万戸で、住宅全体に占める割合は48.7%となっており、前回調査より8.9%増加した。

手摺のある、またぎやすい高さの浴槽がある、段差のない室内をもつ住宅が、住宅全体の20%以上となり、高齢化に配慮した住宅が増えている。

高齢単身者数

高齢単身者数

*高齢者単身世帯

高齢者のいる世帯は1821万世帯となり、主世帯全体の36.7%と3分の1を超えている。前回の調査に比べ、180万世帯。10.9%の増加となった。

高齢単身世帯は414世帯となり、前回調査より76万世帯、22.4%増加し過去最高となり、高齢者のいる世帯に占める割合は22.7%と過去最高であり、今後、増えると予想される。

注)高齢者のいる世帯:65歳以上の世帯員がいる世帯

高齢単身世帯:65歳以上の単身の世帯


*住宅火災報知機

自動火災報知設備(住宅火災報知機等)のある住宅数は2231万戸で、住宅全体に占める割合(自動火災感知設備設置率)は45%となっており、前回の1112万戸23.7%に比べ、ほぼ倍になっている。

また、住宅の建て方別にみると、一戸建ては31.1%、共同住宅は64.1%と共同住宅の設置率は一戸建ての2倍である。

注)住宅火災報知機等は、平成1662日の消防法の一部改正により設置が義務付けられ、新築住宅は平成1861日から、既存住宅は市町村条例で定める日から適用となっている。

この、住宅・土地統計調査の結果は、住生活基本計画、新総合土地政策推進要綱、大都市圏整備計画、住宅マスタープラン、防災計画等における分析のための基礎資料として利用される。

参考:総務省平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)

前田由紀夫

2009/09/01

不動産のゆくえ 土地白書を読む(後半)

カテゴリー: お勉強など!, コラム, 建設 ・不動産 — admin @ 10:51 AM

*不動産投資動向

不動産投資の動向の中で注目されるものはJ-REITである。今年の3月末時点で41銘柄が上場し、720万口、時価約25千億円が流通している。今まで健全に成長を続けてきたJ-REIT市場は、世界金融危機の発生・拡大の影響により、平成20年度は下落基調となった。平成19年に実施された不動産証券化の対象となった不動産又はその信託受益権の額は約8兆9千億であり平成20年に実施されたものは三分の一の約3兆円となった。投資口価格は平成19年5月末には2612.98だったが、平成20年度には最大で70%下落し、今年3月には845.37となった。また、対象となった不動産の主な用途を資産額ベースでみると、平成20年度では、オフィスが37.7%、レジデンスが15.1%、商業施設が21.6%と用途別の構成では過去5年以上あまり変化はみられない。

不動産証券化の実績の推移

不動産証券化の実績の推移

J-REITを上場企業の不動産投資からみると、平成11年~平成18年にかけて、上場企業の売却する不動産の買い手はJ-REITが多数であることがわかる。しかし、平成20年以降はJ-REITSPC(特別目的会社)の物件取得数は大幅に減少している。すなわち、投資用不動産が急激に冷え込んだのである。

また、J-REITの賃貸事業の推移及び他の金融商品との価格をみると、事業収益の総額は安定しているが、投資口価格は平成20年度に株式とともに大きく下落している。つまり、リターンである家賃収入には大きな変化はないが、株式に相当する投資口価格は大きく下落している。不動産証券化市場は、新たな金融化商品として期待され、市場には新たな買い手を創出し、都市開発の推進、投資商品の提供、関連ビジネスの活性化、マーケットの透明化など多くの重要な役割を果たしてきた。しかし、平成19年8月のサブプライム危機、平成209月のリーマンショックなどの金融危機の影響等により、不動産投資市場に資金が回らなくなり、これらの役割を果たせなくなってしまう恐れが生じている。今後は不動産投資市場の継続的な発展を図り、こうした役割を発揮させて行くためにJ-REITの合併・再編や運用会社のコーポレートガバナンスの強化や長期的に資金が確保できるような環境整備を図る必要がある。

*政府が土地について講じた緊急対策

我が国の住宅・不動産市場では、健全な事業についても、先に述べた金融危機の問題により経済が停滞し、取引の減少や価格の下落が著しい。そこで、平成2012月に「住宅・不動産市場活性化のための緊急対策」が取りまとめられた。平成21年度税制改正においては、土地需要を喚起し、土地の流動化と有効活用を推進する観点から、平成21年、22年の2年間に土地を取得した場合、土地の譲渡益課税について大きなメリットを受けることができる「取得する土地等の将来譲渡益に係る1,000万円特別控除」及び「保有する土地等の将来譲渡に係る課税の繰り延べ制度」が創設された。

政府の土地に係る中長期的な課題と取組

昨今、不動産証券化の拡大・浸透に伴い、情報開示の進展などを通じた透明化の向上が図られるとともに、国際的な投資資金の移動が容易になっていると考えられる。不動産市場の整備については、今後の不動産需要の変化や、消費者・投資家のニーズへの的確な対応という観点から、市場の安定的な成長を図ることが重要であり、市場の健全な機能が充分に発揮されるよう、情報・資金・人材それぞれについて重点的な対応を図る必要がある。ここでは詳しくは触れないが、不動産取引価格情報の提供、不動産投資情報の開示の推進、地方における不動産の流動化・証券化の促進などが取り組まれている。

また、個人・企業・行政等の市場行動の変化への対応としては、ライフスタイルに応じた、様々なニーズに照らし、住宅を主体的に選択したいと言うニーズが強まっていることとともに、企業、行政それぞれの主体においては、不動産を戦略的に活用していこうという動きが展開している。企業不動産・公的不動産における戦略的マネジメントの普及・促進、エリアマネジメントの推進などである。そして、新しい不動産価値の創出として、環境から質の高い不動産の形成促進、土壌汚染における土地取引円滑化のための情報整備などが検討されている。

今後は少子高齢化の進行に伴い、全国各地において、空き地・空き屋・空き店舗等が増加し、地域活力の低下、自然環境・地域環境の悪化など様々な問題が深刻化しているが、これらの不動産の適正な管理、有効利用が重要な課題となってくる。

国土交通省 土地白書から抜粋

前田由紀夫

2009/08/03

コラム  バブルの教訓

カテゴリー: お勉強など!, コラム, 建設 ・不動産 — admin @ 9:03 PM

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1989年12月29日の大納会で、日経平均は史上最高の3万8915円で引けた。元旦の新聞にはアナリストや評論家が90年の株価は4万円を超えて行くと言う明るい予想が多かった。しかし、2009年3月10日、日経平均は7,054円で底を打った。なんと20年前の18%でしかない。また、国富の代表である土地総額は2,477兆円から1,253兆円へと価値を半減させた。新築住宅の着工件数も、170万戸から109万戸へと数を減らし、首都圏のマンション価格は6,123万から4,775万となった。当時40~50代の第一線でバリバリ働いたビジネスマンは職場から去ろうとしている。いま日本経済を動かしているビジネスマンの多くは20年前の悪夢を知らない。しかし、世界経済が危機的な状況である今だからこそこの教訓を活かし、はやくこの状況から脱却してほしいと願う。我々は、ほんの20年前のバブル経済の教訓を忘れてはならない。

前田由紀夫

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