総務省は、住宅、土地の保有状況及び世帯の居住状況等の実態を5年ごとに調査し、その現状と推移を明らかにしている。今回は、この調査をもとに不動産のゆくえを考えてみたい。

住宅総数及び空家
*住宅総戸数
平成20年10月1日現在における全国の総住宅数は5759万戸となっており、平成15年の以前の調査時から、5年間で370万戸、6.9%が増加している。総戸数のうちの空き家は756万戸あり97万戸、14.6%増加している。総住宅数に占める空き家の割合は13.1%と過去最高となっている。三大都市圏の空き家は12.1%、それ以外の地域では14.3%と、人口の少ない地方圏の方が空き家の多いことがうかがえる。また、総世帯数は4999万世帯となっており、人口が減少しているにも拘らず前回の調査時よりも273万世帯、5.8%の増加となっている。
*共同住宅
住居世帯のある住宅4961万戸を建て方別にみると、一戸建ては2746万戸で全体の55.4%、共同住宅は2069万戸となる。前回の調査と比較すると、一戸建て3.7%増に対し、共同住宅は10.5%増と、住宅数及び割合も過去最高になっている。この共同住宅を階数別にみると、6階建以上が共同住宅全体の32.6%、11階建以上は12.7%、15階建以上は2.8%となっている。前回との比較によれば、6階建以上は23.7%増、11階建以上は34.1%増、15階建以上は52.1%増と大幅に増加し、高層化進行している。
*持ち家住宅率
住宅所有の関係別にみると、持ち家が3037万戸で、住宅全体に占める割合=持ち家住宅率
は、61.2%、借家が1774万戸で35.8%であり、前回調査とほぼ同率となった。
*専用住宅の借家の規模
住宅専用に建築された専用住宅について、一住宅当たりの住居の床面積をみると、持ち家は120.89㎡となっているのに対し、借家では45.93㎡と調査開始時から戸当たりの面積は増えているが、借家は持ち家の半分以下となっている。
*高齢者等のための設備
高齢者などに配慮した住宅設備についてみると、高齢者等のための設備がある住宅は2415万戸で、住宅全体に占める割合は48.7%となっており、前回調査より8.9%増加した。
手摺のある、またぎやすい高さの浴槽がある、段差のない室内をもつ住宅が、住宅全体の20%以上となり、高齢化に配慮した住宅が増えている。

高齢単身者数
*高齢者単身世帯
高齢者のいる世帯は1821万世帯となり、主世帯全体の36.7%と3分の1を超えている。前回の調査に比べ、180万世帯。10.9%の増加となった。
高齢単身世帯は414世帯となり、前回調査より76万世帯、22.4%増加し過去最高となり、高齢者のいる世帯に占める割合は22.7%と過去最高であり、今後、増えると予想される。
注)高齢者のいる世帯:65歳以上の世帯員がいる世帯
高齢単身世帯:65歳以上の単身の世帯
*住宅火災報知機
自動火災報知設備(住宅火災報知機等)のある住宅数は2231万戸で、住宅全体に占める割合(自動火災感知設備設置率)は45%となっており、前回の1112万戸23.7%に比べ、ほぼ倍になっている。
また、住宅の建て方別にみると、一戸建ては31.1%、共同住宅は64.1%と共同住宅の設置率は一戸建ての2倍である。
注)住宅火災報知機等は、平成16年6月2日の消防法の一部改正により設置が義務付けられ、新築住宅は平成18年6月1日から、既存住宅は市町村条例で定める日から適用となっている。
この、住宅・土地統計調査の結果は、住生活基本計画、新総合土地政策推進要綱、大都市圏整備計画、住宅マスタープラン、防災計画等における分析のための基礎資料として利用される。
参考:総務省平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)
前田由紀夫