2008.06.04 エネルギー問題を考える
 我々が生きて行くのに欠かせないのがエネルギーである。環境を語るのにエネルギー問題は大きなウエイトを占める。 産業革命以降人は効率的なエネルギーを求め、石油や石炭を手に入れた。この石油、石炭、天然ガスが今の我々の便利な社会を作っているのだ。 しかし、2000年以降の原油価格は異常に上昇をし続けている。1990年には1バレル約20ドルだったものが、現在は130ドルを超えている訳だから実に6倍以上になっている。 その背景には産油国の政情不安や天災等による問題がある。日本のエネルギー使用量は今も増加を続けている。 こちらは1990年と比較して、民生業務部門で148%、民生家庭部門で128%、輸送旅客部門で134%と軒並み増加した。 原因としては、事務所の増加による空調や照明機器の増加、乗用車の利用割合の増加、世帯数の増加によるライフスタイルの変化などが挙げられる。

 さて、この石油を代表とするエネルギーであるが、枯渇性資源であるが故、限りがある。 外務省の発表によるエネルギー資源の可採年数は、石油41年、天然ガス65年、石炭155年である(2005年)。 また、日本で使われているエネルギー源の割合は石油45%、石炭21%、天然ガス16%、原子力12%、水力3%である。 なんと石油、石炭、天然ガスでおおよそ82%を使っている訳であるから、これらの資源が我々の「利便性」を担っていると言っても過言ではない。資源のない日本においては他国にエネルギーを頼らなければならない。しかし、他国からのエネルギーにこれほど多く頼らざるを得ないようではたまったものではない。次世代を担う新たなるエネルギーを開発しなければ便利に慣れた我々の生活は成り立たないところまで来ているのだ。そこで現在進められているのが、持続可能なエネルギーの開発である。主に、自然のエネルギーを利用したものが注目されている。今後の不動産のあり方を考えても、省エネルギー対策をしてあるものと、そうでないものとでは大きく資産の価値に差が出てくると考えられる。

 すでに知れ渡ったものであり、ご存じだと思われるが、代表的な自然エネルギーである、太陽、風、生物資源(バイオマス)エネルギーを紹介する。 いずれもクリーンなエネルギーであり、省エネルギーにはなくてはならないものである。

 太陽

 太陽の光を利用したものと、熱を利用したものがある。光を利用した太陽光発電はソーラー発電とも呼ばれ、太陽の光を太陽電池により直接電力エネルギーに変換する。シリコン半導体等に光を当ててそのエネルギーを直接電気にするものである。日本はこの太陽電池の技術に優れ、太陽光発電装置の生産量も世界の生産量の50%と世界一を誇っている。第二位は環境先進国ドイツで20%である。しかし、残念ながら導入量を比較すると、ドイツが50%と上回り、日本は30%であり、生産量は多い割には普及率が低い。また、太陽の熱を利用したものは熱エネルギー変換効率が高く、設備費用も比較的安く、耐久性能も向上している。ソーラーヒートポンプは温水を利用して冷媒を強制循環することで、給湯から冷暖房まで可能となる。最近では、太陽光発電との複合ソーラーシステムも開発されている。

 風

 風力発電は風の力でプロペラやパネルを回転させ、発電機にその力を伝えて発電するものである。昼夜を問わず発電されるが、安定した電力を得るために、風の通り道になるところに設置する必要がある。しかし、導入されている実績からみるとドイツ39%、スペイン19%、アメリカ16%であるのに対し、日本ではわずか2%しかない。今後期待される発電装置だが、巨大な装置は景観や騒音、落雷、鳥が巻き込まれる等、課題も多い。

 生物資源(バイオマス)

 生物体の持つエネルギーを利用したアルコール燃料、ガスなどがあり、石油のように地中に眠る枯渇性資源の代替として使われる。 地球温暖化の原因とされている二酸化炭素の総排出量が増えないことで注目されている。 材料としては、トウモロコシ、サトウキビ、木材といった有機物などからアルコール燃料が作られる。 問題点としては、穀物を燃料として使用するため、食品全般の価格の上昇や、途上国にまで食糧が行かなくなる可能性が指摘されている。 国内においても食物自給率が4割を切っているのに、燃料として使用することに問題があるとの指摘もある。 今後課題も多いが食物以外での燃料化も期待できる分野である。

 他にも、波や地熱と言ったエネルギーを使用したものがあるが、まだまだ枯渇性資源に頼っているのが現状である。 今後、街づくり、住まいづくりにおいても省エネルギー、クリーンエネルギー等は緊急かつ重要な課題である。

前田 由紀夫




















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