2008年のテーマは、ズバリ「環境」でしょう! 【2008.01】

住宅の在り方
聞き手: 前田社長のこれまで続けてきた研究内容について、お聞かせ下さい。
前田: そうですね、研究と言うと大袈裟ですが、内容そのものというか、学んでみてわかってきたことがあります。 個々に住宅をとりあげて、その価値を見るのではなく、今後はその住宅が存在する地域全体をまとめ、価値を測る必要があるということです。 自治体そのものが価値を持つという認識を深める。人間関係の構成が複雑化していく現状にあって、コミュニティーは益々住みにくくなってしまいます。 コミュニティー全体で価値を上げていくこと、これが重要です。また、私たちはそれぞれ人生の段階によってライフスタイルが変わります。 本来は、それによって我々が必要とする家へと徐々に住み替えていく必要があるのですが、そうするには日本の不動産はあまりにも高過ぎます。 自由に売買できない現状。だから全体的に住宅価格を下げる必要があります。 例えば、今の状況でローンを組んで不動産を買うとしましょう。現在の年収に基づいて20年30年という長期で組んでしまったら、身動きとれませんよね。 そこで政府が打ち出した、200年住宅プランというのがあります。 この中では現在の住宅土地の価格を3分の2に抑えれば、残りの3分の1の部分が消費に回って経済効率を上げ、そして住み替えももっと自由になることを指摘しています。 例えば、子供が3人いる家族でも、いずれ子供が成長し巣立っていけば老夫婦ふたり居間の広い家に住み続けることは不効率です。 この現状を踏まえて、どこかもう少し利便性の良いコンパクトな場所に引っ越そうか、ということにもなりますし、これまでのその広い家を担保に生活資金を借り入れしたりすることも考えられます。 また、ローンの返済が終わった不動産を担保に生活資金を借り入れる「リバースモゲージ」という考え方等、選択肢が多くなると生活も豊かになると思う。 経済全体の効率も良くなるでしょう。
聞き手: なるほど、高くなってしまった不動産価格を下げることによって、もっと価値を流動化するということですかね?
前田: そうですね・・・今の日本の住宅は30年で潰して建て替えています。これは大変もったいないことです。 そこで、まずここにある建物をどう検証し査定するかを考えてみようと思います。 これまでの住宅を、基本構造の部分とその上を覆うもの満たすものの部分にわかりやすく分けて、正しい評価でこの住宅の作りはこうなので、この値段であっても妥当であることを証明するのです。 そう考えると、既存住宅の性能評価をきちっとしてやることはとても重要です。 次は何が起こるのか?中古住宅が流通しはじめます。当然新築より安いですね。 そしてこのようにしていけば、私たちがライフスタイルに合わせて住み替えることも比較的現実な話になります。 アメリカは頻繁に引っ越しをして住み替えますよね。
聞き手: そうですね、実は私も今それを考えていました。 アメリカ人は、家というハードがあって自分の生活ソフトを描くのではなく、 まず自分のあるいは家族の生活があって、それにあった居住地を求めていとも自由に移動し、引越をしますね。
前田: 彼らは遠い職場に通いません。職場が変われば住居も帰る。 子供が生まれる、通学する必要がある、そしてまた学校の側に引っ越します。そうやって住み替えていきますね。 こうしてみていくと、日本ではその価格を見ればわかると思いますが、家や土地自体に価値を置き過ぎているのです。 やはりここに戻ってくるけれど、本来はその地域環境、コミュニティーそのものに価値があるのです。 その考え方がアメリカにあるから、既に中古住宅の自由な売買が盛んに行われている訳です。
聞き手: このように見ていきますと、アメリカでは住宅がそもそも日本よりも長持ちするという前提があるということですか?
前田: そうです。基本的にはアメリカの住宅寿命は55年といわれています。イギリスでは77年。 対する日本は先ほどにもありましたように30年ですから。 だから国の政策としても長持ちする住宅、「200年住宅」が打ち出されたのです。 この200年という表現は、比喩的・象徴的なものです。




















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